アートメイクを2回、3回と行う必要がある理由
アートメイクは1回目の治療後、しばらくしてから2回目、3回目の治療を行います。
多くの場合、2回目は1回目から1~3ヵ月後くらいに行います。個人差はありますが、1回目の施術が終わり、色落ちが始まってから1ヵ月後くらいに行うのが一般的です。
アートメイクは医療用の針を皮膚に刺すため、皮膚が傷ついています。傷ついた皮膚が回復する前に2回目を行うと、皮膚への負担が大きくなってしまいます。2回目の施術は、1回目の施術が治ってから約1ヵ月後に行うのが、肌トラブルを避け、色を定着させるために最適なタイミングです。
推奨される回数はクリニックによって異なりますが、最低でも2回の施術を受けることが推奨されています。クリニックによっては、2回以上の治療セットしか受け付けていないところもあります。
人体の機能が色素を排除するため
人間の体には、体内に入ろうとする異物を排除する機能が備わっています。1回目の治療で注入された色素は異物とみなされ、この機能によって排除される傾向があります。
2回目以降の治療の場合は、すでに過去に一度体内に入っている物質なので、初回ほど簡単には排除されません。
そのため複数回の治療で、排出された色素を補うことができます。
色を定着させるため
アートメイクは表皮層のみに色素を入れます。タトゥーの場合は、表皮層よりも深い真皮層に色素を注入するので、半永久的に色素が残りますが、アートメイクの場合は、肌のターンオーバーによって徐々に色が抜けていきます。
この肌のターンオーバーによって徐々に色が抜けていくため、1回の施術では表皮層に色が定着しません。複数回の施術を行い、色素の定着を促す必要があります。ただし、1回目の傷口が治りきっていない状態で施術を行うと、色素がうまく定着しません。傷が治ってから、且つ一定期間待ったほうが、色素が皮膚にとどまることができます。
デザインの微調整を行い、理想の仕上がりにするため
複数回施術を行う目的のひとつは、1回目でベースを作り、2回目、3回目でデザインの微調整を行うためです。
皮膚に注入された色素は、人体の排除機能や肌のターンオーバーによって除去されますが、その色の抜け方には個人差があります。初回にある程度色が出ると思って濃い色を入れたのに、思ったように色が出なかった場合、思ったような仕上がりにはなりません。
アートメイクの色素は時間が経つと薄くなっていきますが、消したくてもすぐに消すことはできません。どうしてもすぐに消したい場合は、除去手術を受けることになりますが、費用がかかる上に、肌に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
一人ひとりの色の抜け方、残り方を観察しながら段階を踏んでいくことで、失敗を防ぎ、理想のデザインを追求することができるます。
変色や色落ちが起こるため
現在のアートメイクは変色しにくい顔料(インク)を使用しており、昔のように大きく変色するケースは少ないですが、色落ちの過程で変色して見えるケースや、まれに変色するケースもあります。
変色した場合でも、2回目以降の施術で残った色を補色することで色調を調整し、きれいな色に仕上げることが可能です。
アートメイクは1回だけでいいのか
アートメイクは1回だけではだめということはありません。
ただし、1回だけでは色が定着せず、色落ちしてしまうケースも多いので、複数回塗った方がより自然な仕上がりになります。基本的に、アートメイクは1回では完成しません。アートメイクの持ちが1~3年というのは、複数回施術した場合です。
アートメイクの2回目以降、メニューの変更・修正をしても大丈夫でしょうか?
1回目のアートメイクの仕上がりが理想と違っていて、修正やメニュー変更を考えている方もいらっしゃるかと思います。
仕上がりに満足できない場合や、失敗したかもしれないと思う場合は、2回目の施術を受ける前に施術したクリニックに相談しましょう。元のクリニックで別の施術を受けることに抵抗がある場合は、他のクリニックで相談するのも一つの方法です。
また、アートメイクの施術には様々な技術があり、クリニックによってはメニューを変更できる場合もあります。