アートメイク大全

   

がん患者にとってのアートメイク

アートメイクは皮膚に針を刺し、色素を入れることで体にアートを施すものです。
いわゆるタトゥーと似たイメージですが、皮膚だけでなく唇などにも用いるのが特徴です。
また、一生消えることのないタトゥーとは異なり、早ければ3年程度で自然に消えるのもポイントとなります。
時間の経過によって消える理由は、色素を注入する深さがタトゥーよりも浅いからです。
アートメイクは僅か0.01から0.03mmの深さに着色するので、新陳代謝によってやがて剥がれ落ちます。
ただ、その分色素が定着しにくいので、数回に分けて注入を行うのが一般的です。
文字通りアート目的で施術を受ける人もいますが、医療現場においてがん患者からも注目が集まっています。
がんは治療の際に体毛が抜けてしまうケースが多く、特に顔だとまつ毛や眉毛まで抜けてしまいがちです。
頭髪はかつらや帽子で隠せますが、眉毛は描いても本物のように見せるのが難しく、またメイクの度に書き直す手間もあります。
その点、アートメイクは最初に数回の施術で済みますし、一度施してしまえば数年間はそのままです。
つまり手間が省けますから、面倒なメイクが簡略化できたり、抜け落ちた眉毛を気にせずに済みます。
がん患者にとって、治療には耐えられても体毛の変化は辛い、そう訴え掛ける人が少なくないです。
しかし、アートメイクなら失った体毛を補えますし、好みのデザインで顔を作ることができます。
形や濃さは勿論のこと、色もある程度選べるので魅力があります。
がん患者で治療の変化に悩んでいる場合は、このメイク方法が解決策になる可能性が大きいです。
眉毛の他に、アイラインも施術可能な部位となっているので、目元をデザインするのに向いています。
一度施術を施すと、やり直すことはできませんから、信頼できる相手と相談してデザインを決めることが大切です。
アートメイクは医療行為なので、資格を持たない人が施術を行うのは不可能です。
一方で痛みは気になるところですが、麻酔なしのタトゥーとは違い局所麻酔が行なわれるのが普通です。
これはれっきとした医療行為であること、それに痛みが施術の妨げになるのが理由です。
局所麻酔なので全身麻酔クラスの重たい負担はなく、体力が落ちたり体が弱っていても、無理をせずに済むのが利点だといえます。
がん患者は治療で体力を消耗しますから、長時間同じ姿勢を保つ必要があるタトゥーは、負担が大きく不向きです。
ところが、部分的に短時間で済むメイクとなれば負担は小さいので、担当医も認めてくれる確率が高まります。
局所麻酔は一部分の感覚を麻痺させるだけですから、痛覚以外の影響はほぼ受けないと思われます。
メイクといっても、アートメイクは洗って落ちるようなものではないので、タトゥーよりも心理的な抵抗感は小さく、体の一部として受け入れることができるでしょう。
スッピンにも自信が持てるようになりますから、そういう意味でもがん患者にとって朗報です。
実際に施術を受ける場合の注意点には、磁性体を含むインクは選ばないこと、そして十分なカウンセリングを受け納得する2つが挙げられます。
がん患者はMRIを受けることがあるので、診断に影響を与える磁性体の存在は困りものです。
インクの染料には金属が含まれることが多いですから、事前に問題がないか確認を済ませる必要があります。
カウンセリングは治療と同じく、今後の変化に影響を与える話し合いなので、疑問点を残さないように気を付けましょう。
分からないことは尋ねる、気になる部分は納得できるまで聞くなど、施術を受ける側の心構えが求められます。
がん治療の担当医に相談したり、カウンセリングで事前に十分な納得が得られるなら、理想的な顔を手に入れる有力な選択肢となります。

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